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95's Diary

95の徒然なる日記です。
NATIONAL GEOGRAPHIC4月号
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特集につられて買いました。

そもそもこういったサイエンス系の雑誌は写真のクオリティが非常に高く、
新たな知識を身につけてよし、ただ写真を眺めるもよし。
で、けっこう好きです。

内容は
「槍を使うチンパンジー」
「自然に学ぶデザイン」がメインの特集です。

セネガルのサバンナに生息する
道具を使うチンパンジーが取り上げられています。

「道具を使う」ということは「人」を定義づける
重要な要素として扱われてきました。

しかし、世界中から動物が道具を使ったという報告があります。
棒を使って巣の中のシロアリを食べるチンパンジーは有名ですね。

他にも枝を歯で尖らせ、槍として狩りで使ったという報告や
木の葉をスポンジの様に使い、水を飲んだとか、
言語を覚えたといった、多くの報告がなされているそうです。

ただ、霊長類学者たちの反応は冷ややかだそうです。

そこでは、徹底して擬人化が避けられます。
人と行動やしぐさが似ているために、人間らしさを求めるあまり、
行動や表情を誤解していまうのだそうです。
人間として"彼ら"の行動に「意味」を見いだそうとしても、
それはチンパンジーの「行動」でしかなく、
それ以上でも、それ以下でもないのでしょうね。


「自然に学ぶデザイン」のほうは
単なる形態の模倣ではなく、その仕組みそのものを現代にどう生かすか?
といったところに焦点があります。

この分野をバイオミメティクス(生体模倣)というそうです。

おもしろいのは
そうした動植物たちがもっている機能や構造は
特定の機能を満たすために「設計」されたわけでなく、
「偶然によってできたデザインの試行錯誤の寄せ集め」のために
構造が「なぜこんなに回りくどいことをするのか」
といいたくなるほど複雑だそうです。

私たちは「目的」のために「設計」します。
その結果としてここでいう「デザイン」があるわけです。
しかし、参考にしようとする動植物たちは
結果としてその機能を獲得しているため、
そこには「設計」というプロセスも、機能という「目的」もありません。
ここに大きな違いがあり、
そのため、そうした「自然のデザイン」は重層的な性質を持ち
様々な分野との共同研究が必要であったり、莫大なコストがかかったりで、
利用が非常に難しいのだそうです。

私たち人間にしてもそうですよね。
あれだけ莫大なコストと技術力を導入しているにも関わらず、
人形のロボットの動きは、まだまだ人間のそれとはかけ離れたものです。

私たちが思っている以上に自然は遥かに複雑であり
だからこそ、そこから学べるデザインも
まだまだ無限に近い可能性を秘めているのだと思います。

多くの発見のある一冊でした。
by haruya95 | 2008-04-01 23:46 | デザイン
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by haruya95
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profile
久郷 晴哉(クゴウハルヤ)
haruya kugo

1984年生まれ。

2007年
滋賀県立大学 環境科学部
環境・建築デザイン専攻
卒業
2009年
同大学大学院 環境科学研究科
卒業

現在はデザイン関係の仕事に
ついてます。

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